2001 Fiscal Year Annual Research Report
卵胞発育・排卵における細胞周期調節因子の役割と病因的意義
Project/Area Number |
12770932
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 百合恵 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00286543)
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Keywords | 顆粒膜細胞 / 免疫染色 / 卵巣 / 排卵誘発 |
Research Abstract |
3週齢の幼若ラットにPregnant Mare Serum Gonadotropin (PMSG) 5IUの腹腔内注射を行い,その46時間後にhuman Chorionic Gonadotropin (hCG) 5IUの腹腔内注射を行った。PMSG投与前,投与後,hCG投与後の各段階でラットから卵巣を摘出,ホルマリン固定の上切片を作製し,PCNA,cyclinD2,cyclinE,p27,estradiol,progesteroneの各抗体による免疫染色を行った。 A)卵胞内でPMSG投与後にestradiolの発現が増強し,hCG投与後24時間で減弱した。一方,hCG投与後36時間でprogesteroneの発現が増強した。 B)卵胞内のPCNAの発現は,PMSG投与前よりPMSG投与後で増強し,hCG投与後に減弱した。 C)cyclinD2,cyclinEの発現は,PMSG投与前よりPMSG投与後で増強し,hCG投与後progesteroneの発現と一致して減弱した。 D)p27の発現は,hCG投与後progesteroneの発現と一致して減弱した。 以上より,卵胞内での顆粒膜細胞の増殖・分化に細胞周期調節因子が関与していることが示唆された。また,その発現調節にPMSGやhCGの上位中枢からの性腺刺激ホルモンおよびestradiolやprogesteroneの性腺ホルモンが関与している可能性が示唆された。
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