2000 Fiscal Year Annual Research Report
難聴原因遺伝子を強制発現させた培養線維細胞の蝸牛内移入による難聴のレスキュー
Project/Area Number |
12770941
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 雅明 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40261630)
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Keywords | 内耳性難聴 / アデノウイルスベクター / 遺伝子導入 / BCL2遺伝子 / シスプラチン難聴 |
Research Abstract |
平成12年度初めよりマウス蝸牛管外側壁線維細胞の培養に取り組み成功した。しかしPOU3F4、GJB2、GJB3などの難聴原因遺伝子をこの培養線維細胞に発現させて、マウス生体に遺伝子導入させる段階にて成功せず、現在も取り組み中であるが、難聴原因遺伝子を用いない下記実験を試みている。 BCL2 geneをマウス蝸牛内に遺伝子導入を行い、発現させる。BCL2 geneは蝸牛管外側壁や外有毛細胞のアポトーシス化を阻害するアンチアポトーシスの働きをする。この遺伝子が発現された蝸牛が、シスプラチン(CDDP)による薬剤性難聴に対して、ニューロプロテクションの働きをするかどうかを研究する。遺伝子導入はアデノウイルスベクターを介して行う。現在アデノウイルスベクターを完成しつつある段階である。今後の方針はABRおよびDPOAEにて聴力を測定したマウスをBCL2 gene投与モルモット群とコントロール群のニ群に分け、BCL2 gene投与群に対しては、round window経由と蝸牛管側壁に孔をあけて投与するcochleostomyの二通りの方法にて遺伝子導入を行う。その後両群にCDDP腹腔内注射を施行し、2週間後再聴力検査を行い、CDDPによる聴力低下が両群の間にて有為差があるかどうかを検討する。また聴力測定後マウス蝸牛を取りだし、免疫組織化学的手法にてこのマウス蝸牛の形態学的観察を行い、蝸牛機能の解析を行う予定である。
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