2000 Fiscal Year Annual Research Report
各種ムチン遺伝子発現がそれぞれ別個に制御を受けているかどうかの検討とその制御機構
Project/Area Number |
12770964
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岸岡 睦子 三重大学, 医学部, 助手 (10314113)
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Keywords | 鼻粘膜 / 上皮 / ムチン |
Research Abstract |
慢性副鼻腔炎患者より手術時に鼻茸を採取し、これより分離した鼻粘膜上皮細胞をair-liquidinterfaceで培養し、実験を行った。培養上皮細胞に炎症時に増加する分泌刺激物質であるヒスタミン、血小板活性化因子、腫瘍壊死因子を別々に投与して、前後のムチン遺伝子の発現を比較検討した。ムチン遺伝子のうち現在よく知られているMUC1,2,3,4,5AC,5B,6,7,8の9種についてmRNA発現を半定量的RT-PCRを用いて検討した。培養鼻粘膜上皮細胞ではMUC3,6を除いた7種のムチン遺伝子の発現がみられた。このうち、MUC1では変化がみられず、MUC2,7では、血小板活性化因子、腫瘍壊死因子投与群で発現の亢進がみられ、MUC4,8では、血小板活性化因子投与群で発現が亢進しており、MUC5ACでは、主に腫瘍壊死因子投与群で発現が亢進していた。MUC5Bでは血小板活性化因子投与群でのみ発現がみられた。ヒスタミン刺激では発現の亢進はみられず、ヒスタミンは分泌は刺激するものの分泌物の生成にはあまり関与していないのではないかと思われた。また、各ムチン遺伝子の発現はそれぞれ別個に制御を受けているものの各遺伝子間で共通する制御機構も多いのではないかと推測された。今後は血小板活性化因子等を投与した際の細胞内伝達系等発現亢進のメカニズムについて検討する予定である。
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