2000 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性鼻炎における感作から発症への機序の研究-疫学と分子生物学手法の接点-
Project/Area Number |
12770965
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
湯田 厚司 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (80293778)
|
Keywords | アレルギー性鼻炎 / 感作 / 疫学 |
Research Abstract |
対象母集団をスギ花粉に感作されやすい20歳代前後とし、皮膚テストをおこなった。229名に行い、陽性125名(54.6%)陰性104名(45.6%)であった。スギ花粉抗原では対象の半数以上で感作されていた。この陽性例のうち有症者は72名、症状無しは53名であり、感作・未発症53名(23.1%)発症72名(31.4%)非感作104名(45.4%)の3群に分類できた。感作・未発症53名中、15名はハウスダストなどの抗原にも陰性でスギ花粉単独感作・未発症あり、この15名をさらに詳しく検討した。特にスギ花粉飛散期の血清中特異的IgE抗体、ヒスタミン遊離試験の変化を検討し、変化を認めなかったが、好塩基球中の総ヒスタミン量は亢進していた。これらの症例の鼻粘膜擦過標本から総RNAを抽出し、さらにcDNAに逆転写して、保存している。次ぎに、スギ花粉症に焦点をあて、母集団をとった。スギ花粉症患者32名から採血し、モノクロナール抗体を用いて好塩基球を分離した。この好塩基球で、スギ花粉抗原でのヒスタミン遊離試験を行い、さらに、血清中特異的IgE抗体・鼻誘発反応・皮膚反応などのアレルギー検査との相関を確かめた。これらの検討では、陽性率は一致するが、検査結果の強さとの相関はなく、疫学調査上の検査項目の採用に有用な結果をえた。現在、この母集団は増え、100例を越えているが、すべての解析は次年度に及ぶ予定である。以上のデータをベースに次年度の検討に移る。
|