2000 Fiscal Year Annual Research Report
嗅覚に対する慢性電気刺激およびレーザー光化学作用の影響の研究
Project/Area Number |
12770993
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
荒木 進 東京医科大学, 医学部, 助手 (90256272)
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Keywords | 嗅上皮電気刺激 / においによる誘発電位 / 電気刺激による誘発電位 |
Research Abstract |
平成12年度は実験機器の設置と基礎データの収集を行った。すなわち、慢性刺激実験の前に、急性刺激による反応を検討した。実験方法は以下のように定めた。刺激電極はバイポーラの針電極を用い、それを実験動物の嗅上皮にあて、矩形波の電流で一定時間(約5分)刺激した。導出電極をマイクロマニピュレータで嗅皮質に挿入し、専用の解析装置で波形を取り出した。実験動物には、嗅覚系が正常なハートレー系モルモットを用いた。この結果、モルモットの場合、電流をかなり大きくしないと誘発波形が得られなかった。この原因として、呼吸、血液、鼻汁などによるアーチファクトがかなりかかることと、嗅上皮と嗅皮質の距離が短すぎるという解剖学的理由によるものと思われた。また、個体差もかなりあることが判明したので、導出は、頭皮から取ることとした。まだ、3匹にしか施行していないが、この方法によれば、誘発電位の波形が得られ、刺激を強くしていくとその波形の振幅などが変化していくことが確認できた。 また、実験動物の鼻腔ににおい刺激を0.5秒間与え、そのときに得られる電気刺激の波形と同様な誘発電位の波形を導出することにも成功した。このことは、電気刺激を与えることが、におい刺激を与えることの代用になることを示唆しており、慢性電気刺激により、嗅覚系神経の活性化を誘導する可能性が考えられた。今後、来年度に向けて、電極の固定法などに工夫し、慢性電気刺激が可能な実験系の確立を目指すつもりである。
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