2000 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌患者の末梢血単核細胞に於けるSpontaneous Apoptosis-Pre-programed in vivo to die-
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12770994
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
齊藤 孝夫 東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助手 (00235045)
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / TCR-ζ / Fas-R / TNF-R1 / Apoptosis / TUNEL / Flow cytometry |
Research Abstract |
卵巣癌、腎癌、結腸癌、前立腺癌、メラノーマ等の悪性腫瘍症例に於ける腫瘍浸潤リンパ球(TIL:Tumor-infi-ltrating lymphocyte)では、T細胞受容体ζ鎖(TCR-ζ:T cell receptor-ζchain)の発現抑制あるいは欠損が報告されており、これらTCR-ζの発現頻度と生存率との間に正の相関がある可能性が示唆されてきている。他方、腫瘍表面Fas-L(FS7-associated-surface-antigen ligand)によりTIL上のFas-Rを介したApoptosisの誘導の可能性も報告されてきており、この事は腫瘍細胞の免疫反応からの防御あるいは免疫抑制との関連も考えられる。我々はこれまでに、非担癌状態の扁平上皮癌症例に於いて、TILのみならず末梢血リンパ球でさへも、そのTCR-ζ発現頻度が健常人のものと比較して統計学的に有意に低値である事のみならず、TUNEL法(Terminal deoxy-nucleotidyl transferase-mediated dUTP nick end labeling method)にて末梢血リンパ球のLate-phaseのAp-optosisを観察したとき、健常人(Age-matched control)と比較Iして統計学的に有意に高値をしめしている事を報告してきた。 我々はこうした末梢血リンパ球のTCR-ζ発現頻度、Apoptosisの頻度との間に負の相関があり、同時に臨床学的各種パラメーター、特に癌進行度、生命予後との間に何らかの相関が在るのではないか、同時にこの末梢血リンパ球のApoptosisの誘導に関しては、Fas-RやTNF-R1の過剰発現が関与しているのではないかとの仮説を立てた。 本研究では、頭頸部扁平上皮癌担癌状態(未治療症例)を対症とし、それらの末梢血リンパ球に於けるApoptosisのレベルをCaspase-3 activation assay(Early phase)及びTUNEL assay(Late phase)にて評価するとともに、two-colored flow cytometryによりFas-R、TNF-R1及びTCR-ζの発現度を評価してきた。Fas-R及び、TNF-R1発現頻度に関しては、癌症例に於いてやや過剰発現をしている傾向が在るが、各種パラメーター間の有意な相関は症例数の問題もあり得られていない。今後は、担癌症例の背景因子を厳密に揃え、さらなる検討を重ねたい。
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Research Products
(1 results)