2000 Fiscal Year Annual Research Report
誘導型一酸化窒素合成酵素阻害によるシスプラチンの蝸牛障害軽減の試み
Project/Area Number |
12770997
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
渡邊 健一 日本医科大学, 医学部, 助手 (80281434)
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Keywords | 誘導型一酸化窒素合成酵素 / 一酸化窒素 / シスプラチン / 蝸牛障害 |
Research Abstract |
モルモットを用い、シスプラチンによる蝸牛障害を免疫組織および電気生理学的に検討した。 組織学的には誘導型一酸化窒素合成酵素(inducible nitric oxide synthase,iNOS)がコントロール群では発現しておらず、シスプラチン投与群の蝸牛内に発現していることを確認した。蝸牛内でiNOSはコルチ器の支持細胞、血管条、ラセン靭帯およびラセン神経節に観察された。 電気生理学的には聴性脳幹反応検査を用い聴覚系の変化を検討した。コントロール群では聴覚系に有意な変化は無かったが、シスプラチン投与群では投与3日後に高音域で聴覚系に有意な閾値上昇を認めた。 これらの結果よりシスプラチン投与が聴力障害を惹起すると同時にiNOSを発現させると考えられた。われわれは同一のモデルでシスプラチンが蝸牛にアポトーシスを引き起こし、NOS阻害剤投与がアポトーシスを軽減することを組織学的に示した(Anti-Cancer Drugs,2000)。来年度はNOS阻害剤投与が機能障害を抑制するか検討する予定である。
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Research Products
(1 results)