2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771002
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
藤村 武之 産業医科大学, 医学部, 助手 (40320361)
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Keywords | WBB6F_1W / W^v mouse / Stria Vascularis / intermediate cell / Basal lamia / IgG deposition |
Research Abstract |
光顕観察 3週令W/W^vは中間細胞を欠損し、3週令+/+に比べ、血管条が薄い。 電顕観察 1週令W/W^vにおいてすでに血管条基底膜の多層化が始まる。2週令ではさらに基底膜の肥厚は進行し、3週令では約250nmにまで基底膜が肥厚しており、ほぼこの時期に肥厚が完成する。3週令W/W^vにおいては辺縁細胞のミトコンドリアは豊富に存在するが、+/+に比べ基底細胞とのinterdigitationは乏しい。5ヶ月令+/+血管条は3週令+/+とほぼ同様であるが、5ヶ月令W/W^vの血管条は3週令と比較し、著しく変性しており、辺縁細胞のミトコンドリアは著しい減少をきたし、毛細血管周囲にわずかに存在するのみである。光顕免疫 ヤギ抗マウスIgG抗体を用いたLSAB法によれば、血管条毛細血管周囲へのIgG沈着は1週令+/+では認められなかったが、1週令W/W^vにおいて、同部位へのIgG沈着を認めた。さらに補体であるC3の免疫陽性反応が3週令W/W^vの毛細血管周囲に認められた。標識実験 +/+とW/W^vの血管条毛細血管透過性を塩化ランタン標識実験にて比較した。+/+では血管内に投与された標識は血管条毛細血管の内皮細胞間のタイト結合により通過が阻止されているが、W/W^vでは標識は基底膜に到達した。免疫電顕 ヤギ抗マウスIgG抗体を用いたpreembedding法による免疫電顕によると、W/W^v血管条毛細血管の肥厚した基底膜および内皮細胞間隙に同免疫陽性反応を認めた。以上の結果より、W/W^vでは生後1週という非常に早い時期から内皮細胞間隙のタイト結合の形成不全による毛細血管透過性亢進が生じていることが示唆された。
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