2000 Fiscal Year Annual Research Report
ウサギ硝子体手術モデルにおける抗酸化剤による網膜神経保護の検討
Project/Area Number |
12771016
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東出 朋巳 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (20291370)
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Keywords | 網膜 / 神経保護 / 硝子体手術 / ウサギ |
Research Abstract |
ウサギ硝子体手術モデルの作成 塩酸ケタミンおよび塩酸キシラジンによる全身麻酔下の有色家兎の片眼に手術用顕微鏡下で潅流ポートを縫着(上耳側あるいは上鼻側の角膜輪部から約3mm後方)し,眼内潅流液(オペガードMA)による静水圧を負荷した。このとき,トノペンによる眼圧測定値は約30mmHgであった。別に2カ所のポート(上側で角膜輪部から約3mm後方)を作成し,眼内照明用光ファイバーと硝子体カッターを挿入して硝子体切除を行った。しかし現有硝子体切除装置では硝子体切除中に容易に網膜剥離が発生した。 そこで,潅流ポートと眼内照明用光ファイバーのポートのみを設置し硝子体切除を行わずに網膜近傍で光照射を行った。観察される照射径を一定に保つようにしてファイバー先端と網膜までの距離をほぼ一定にした。各眼あたり4から5カ所,1カ所につき5ないし10分間の光照射を行った。光照射には3種類の手術用光源(ハロゲンあるいはキセノン)を用いて,照度計で明るさを調整した。ファイバー先端から照度計の受光面までの距離が1cmで10000lux(D(1)=10000)の照度(ハロゲン)では,術後に検眼鏡的に網膜障害は観察されなかった。D(1)=20000の照度(ハロゲン)では,術後2日で眼底中央部の10分間照射部において検眼鏡的に網膜変性がみられた。D(3)=20000の照度(キセノン)では,5分間照射でも網膜障害がみられた。眼底中央部の照射では,照射中から網膜浮腫が生じ眼底周辺部の照射と比べ術後により強い網膜変性がみられた。
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