2001 Fiscal Year Annual Research Report
ウサギ硝子体手術モデルにおける抗酸化剤による網膜神経保護の検討
Project/Area Number |
12771016
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東出 朋巳 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (20291370)
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Keywords | 網膜 / 神経保護 / 硝子体手術 / ウサギ |
Research Abstract |
ウサギ硝子体手術光障害モデルの作成 塩酸ケタミンおよび塩酸キシラジンによる全身麻酔下で有色家兎の片眼に手術用顕微鏡下で潅流ポートを縫着(背側の角膜輪部から約3mm後方)し,眼内潅流液(オペガードMA)による静水圧(トノペンで測定)を負荷した。別にポートを作成し、硝子体切除を施行せずに眼内照明用光ファイバーで種々の条件で眼底に光照射を行った。光障害は倒像鏡、フルオレセインおよびインドシアニングリーン蛍光眼底造影にて観察した。手術用光源(キセノン、ほぼ可視光領域のみ透過)の出力(ファイバー先端と照度計受光面との距離と照度で推定)がより大きい場合、あるいは照射時間がより長い場合に光障害が強くなった。また、同一の照射条件でも眼底中央部には周辺部と比べて強い光障害がみられた。これには光受容細胞密度が眼底中央部でより高いことが関係すると考えられた。眼内潅流液による静水圧を変化させた場合、通常の眼圧(15mmHg)と比べて高眼圧(40mmHg)において強い光障害がみられた。汎用レーザー血流計を用いて網膜近傍で同一部位(網膜血管の存在しない光照射予定部位)の眼底血流を測定したところ40mmHgでは15mmHgに比べて著明に眼底血流が減少した。したがって脈絡膜血流が通常より減少した場合に豊富な脈絡膜血流による組織冷却効果が低下し光障害が強くなると考えられた。 ウサギ硝子体手術光障害モデルにおける光障害の抑制 有色家兎の片眼に上記のように光障害を眼底の一ヶ所に作成し、薬剤を腹腔内投与し30分後に同一条件で同一眼の他の部位に光障害を作成した。メラトニンの溶媒(10%エタノール、2ml)の投与では同程度の光障害がみられたが、メラトニン(50mg/kg)の投与では光障害は著明に抑制された。メラトニン投与前後で眼底血流を測定したところほとんど変化はみられなかった。また、α-トコフェロール(200mg/kg)の投与によっても光障害は著明に抑制された。
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