2000 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症における硝子体出血の吸収過程に関する研究
Project/Area Number |
12771031
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
上甲 武志 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (60304630)
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 硝子体出血 / ヘモグロビン代謝 |
Research Abstract |
日常の臨床において、糖尿病網膜症に合併した硝子体出血の吸収は、有硝子体眼と無硝子体眼ではその速度が異なる。そこで有硝子体眼と無硝子体眼のヘモグロビン代謝過程の違いについて検討した。 対象および方法:対象は16歳から73歳までの網膜硝子体疾患を有する20例22眼。第1群を硝子体出血のない有硝子体眼9眼(コントロール)、第2群を糖尿病網膜症例で硝子体出血を認めた有硝子体眼9眼、第3群を糖尿病網膜症例で硝子体出血を認めた無硝子体眼4眼として分類した。硝子体手術時に硝子体を採取し、赤血球の溶血を防ぐため直ちに遠心分離にて血球成分を除去した。試料は分光光度計で350nmから650nmの間でスキャンし、ヘモグロビンの吸光度は415nm、ビリルビンの吸光度は440nmで測定し、ビリルビン/ヘモグロビン比を求めた。 結果:採取した硝子体は、第1群は無色透明、第2群は淡赤色、第3群は黄色で、ビリルビン/ヘモグロビン比は、第1群では0、第2群では0.306±0.173、第3群では1.356±0.307であり、第2群と第3群間に統計学的に有意差を認めた(P<0.001)。第2群と第3群の推定出血期間に有意差は認めていない。 結論:有硝子体眼ではヘモグロビンの代謝的分解反応が遅いのに対して、無硝子体眼ではビリルビンへの代謝が促進していることが明らかとなった。このため、臨床的には無硝子体眼で硝子体出血の吸収が早いと考えられた
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