2000 Fiscal Year Annual Research Report
高脂血症網膜における白血球-血管内皮相互作用亢進の機序・動態の解明
Project/Area Number |
12771042
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
冨田 一之 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (40305537)
|
Keywords | 高脂血症 / 白血球 / アクリジンオレンジ |
Research Abstract |
目的;高脂血症による生体内の変化はこれまでも様々と報告されている.今回の研究ではアクリジンオレンジデジタルフルオログラフィーを用いて,高脂血症による網膜血管内皮-白血球間の動態異常を観察する. 材料と方法;生後6週の有色ラットにコントロール食(0.1%コレステロール含有)と高コレステロール食(5%コレステロール含有)を与えコレステロールモデルを作製する.網膜内血管内皮-白血球間の動態異常を観察するため,コレステロール食投与後2週間,4週間および8週間を観察日とした.麻酔下でラット角膜に専用のコンタクトレンズを装着し,走査型レーザー検眼鏡の前に固定し眼底観察をした.そして,尾静脈からアクリジンオレンジを注入し白血球と血管内皮間の動態をビデオテープに記録した.記録したビデオテープの画像から血管径,白血球ローリング数,および白血球網膜内集積数をコンピューターで解析した.また,観察後ラットから血液を採取し血清コレステロール値を測定した. 結果;血清コレステロールはコントロール食摂取群で62.2,高コレステロール2週間,4週間および8週間投与群でそれぞれ,716.7±38mg/dl,282.2±20mg/dl,326.3±24mg/dlであった.またすべての群間で動脈・静脈血管径に変化なく,白血球ローリングも観察できなかった.網膜内白血球集積数は,コントロール食群,高コレステロール2週間投与群,4週間群,および8週間群でそれぞれ13±2.1/mm^2,14±1.9/mm2,23±2.1/mm^2,31±2.3/mm^2であった.コントロールと比べ2週間投与群では有意差はなかったが,4週間,8週間投与では有意に増加していた.結論;高脂血症により網膜内への白血球の集積の増加がみられ,網膜内血管内皮-白血球間の粘着能の亢進が認められた.
|