2001 Fiscal Year Annual Research Report
角膜創傷治癒および発生過程における細胞性癌遺伝子の発現
Project/Area Number |
12771044
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50264891)
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Keywords | 角膜 / 発生 / 創傷治療 / AP-1 / in situ hybridization / 免疫組織化学 / アンチセンス |
Research Abstract |
胎生12.5日から生後39日のマウス角膜におけるc-fos, fosB, c-jun, junB, junDのmRNAおよびc-Fos, c-Jun蛋白の発現について検討した。c-fosおよびc-jun mNAは、胎生14.5日から生後14日、fosB mRNAは、胎生18.5日から生後3日、junB mRNAは、胎生18.5日から生後39日、junD mRNAは、胎生14.5日から生後39日に角膜上皮細胞に発現を認めた。c-Fos蛋白は胎生14.5日から生後10日、c-Jun蛋白は、胎生14.5日から生後3日に角膜上皮細胞に発現を認めた。 c-fosノックアウトマウスの角膜について、電顕で観察し検討した。c-fosノックアウトマウスの角膜上皮の、表層細胞、翼細胞間のデスモゾーム数が有意に減少していた。 c-fos, c-junアンチセンスを添加した培養液中で、マウス角膜を11時間器官培養し、角膜上皮の伸展距離を測定した。コントロールとして、c-fos, c-junセンス添加した培養液中で角膜を器官培養したものを用いた。c-fosアンチセンス群では、コントロールに比べ、角膜上皮伸展距離は、40.36%と抑制されていた。c-junアンチセンス群では、コントロールに比べ、角膜上皮伸展距離は、42.71%と抑制されていた。 以上のことから、角膜の発生過程および創傷治癒過程にこれらの細胞性癌遺伝子が影響を及ぼしていると考えられた。
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