2001 Fiscal Year Annual Research Report
横隔膜ヘルニアにおける肺血管平滑筋抑制因子の羊水内注入による肺高血圧抑制の検討
Project/Area Number |
12771059
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幸地 克憲 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (40312938)
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Keywords | 横隔膜ヘルニア / VEGF / 胎児治療 |
Research Abstract |
【方法】モデルラット:Gestation9.5dayのラットに100mg nitrofenを経口投与することにより、CDHモデルラットの作成を行った。また、近年、CDH胎児治療法としての胎児気管結さつ術(FETENDO)を、FETENDOの肺血管リモデリングに関する検討を、VEGFを用いた免疫染色で検討した。 実験1:モデルラットをGestation day15、18、22に、ceasarean sectionにより娩出後、固定を行い、CDH群とした。正常ラット新生仔も同様に娩出後、正常コントロールとした。肺標本を作成後、肺血管平滑筋層の計測を行うとともに、抗VEGF抗体による免疫染色を行い、コントロール群とCDH群での比較検討を行った。 実験2:CDHモデルラットGestation 13dayに、全身麻酔科に、子宮を切開し、胎児CDHラットの気管を9-0ナイロンで結さつし、FETENDOモデルとした。Gestation 22dayにceasarean sectionし、肺血管平滑筋層の計測を行うとともに、抗VEGF抗体による免疫染色を行い、コントロール群とCDH群での比較検討を行った。 【結果】実験1:肺血管平滑筋層は、コントロール群に比べ、CDH群では、肥厚する傾向にあった。VEGFの発現では、コントロール群では、15日より、血管平滑筋・内膜に、VEGFの発現がみられ、発現量自体は、増加する傾向にあった。一方、CDH群では、VEGFの発現量は、少なく、抑制される傾向にあった。 実験2:肺血管平滑筋の厚みは、正常コントロール、FETENDO、CDHラットの順で、肥厚が認められた。VEGFの発現量は、逆に、正常コントロール、FETENDO、CDHラットの順に減少していた。この事から、FETENDOにより、VEGFの発現量が増加し、これに伴い、肺血管のリモデリングが行われていると考えられた。
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