2000 Fiscal Year Annual Research Report
ラット味蕾における神経伝達物質放出機構の調節分子に関する研究
Project/Area Number |
12771089
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
豊野 孝 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (10311929)
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Keywords | 神経伝達物質放出 / 味覚情報伝達 / 味蕾 / Munc13 / Munc18 / Doc2 |
Research Abstract |
味蕾における神経伝達物質放出機構に関しては現在まで殆ど明らかになっていない。本機構を解明することは味覚情報伝達機構および味覚障害を理解する上で重要であると考えられる。そこで本研究は中枢神経系において神経伝達物質放出機構で調節分子の役割を果たしているMunc13,Munc18及びDoc2に注目し、これらのラット有郭乳頭味蕾での発現及びその局在性の検索を行った。 ラット有郭乳頭でのMunc13,Munc18及びDoc2の各アイソフォーム(Munc13-1,Munc13-2,Munc13-3,Munc18-1,Munc18-2,Doc2α及びDoc2β)の発現の検索をRT-PCR法を用いて行った。検索の結果、Mumc13-1,Mumc13-2,Munc18-1及びDoc2βが味蕾を含む有郭乳頭に特異的に発現していることが明らかになった。そこで免疫組織化学的手法を用いてMunc13-1、Munc18及びDoc2の局在性を調べた。その結果Munc18は大部分の味蕾において発現が認められたが、Munc13-1及びDoc2に関してはごく一部の味蕾においてしかその発現が認められなかった。有郭乳頭の味蕾において実際にシナプスを形成している細胞はごく一部であることから、この結果より味蕾における神経伝達物質放出とMunc13-1及びDoc2との関連性が推察された。
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