2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原因菌が産生する細胞膨張壊死因子CDTの標的蛋白の同定とその作用機序の解明
Project/Area Number |
12771099
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
才木 桂太郎 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (30297973)
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Keywords | 口腔細胞 / 若年性歯周炎 / 細胞壊死因子 / ネクローシス / 細胞周期 / 細菌性毒素 / CDT |
Research Abstract |
若年性歯周炎の原因菌Actinobacillus actinomycetemcomitansが産生する毒素cytolethal distending toxin(CDT)は、KB細胞等のヒト上皮様培養細胞に細胞膨張を誘発し細胞分裂をG_2期で停止させ細胞を壊死に至らしめる。CDTは、CdtA, CdtB, CdtC蛋白から構成される毒素複合体である(Saikiら、2001)。今年度は、CdtA, CdtB, CdtCサブユニットの機能的役割の同定を行った。まず、個別に精製したCdtA, CdtB, CdtC蛋白をKB細胞内に強制導入して、KB細胞に対する効果を調べた。強制導入したCdtB蛋白はCDT活性を示したのに対して、強制導入したCdtAおよびCdtC蛋白はCDT活性を示さなかった(才木ら、未発表データ)。従って、CdtB蛋白がCDTの活性サブユニットであると考えられる。一方、(1)CdtA、(2)CdtB、(3)CdtC蛋白が発現した細胞抽出液をKB細胞の培養液に加えてKB細胞に結合させてから洗浄し、それぞれ、(1)CdtBとCdtC、(2)CdtAとCdtC、(3)CdtAとCdtBが発現した細胞抽出液を培養液に加えてCDTの細胞膨張壊死効果を調べた。標的細胞の細胞外から加えたCDTの毒素活性にはCdtA, CdtB, CdtC蛋白が全て必要であることから(Saikiら、2001)、洗浄後にもCDTサブユニットがKB細胞に吸着していれぱCDT活性を示すはずである。(1)と(3)はCDT活性を示したのに対して(2)は全くCDT活性を示さなかった(才木ら、未発表データ)。従って、CdtAとCdtC蛋白はKB細胞に対する結合能を有することが示された。以上の結果、CDTは、CdtBサブユニットが活性を(active site)、CdtAとCdtCサブユニットが結合の機能(binding site)を担うA-B毒素であると考えられる。
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Research Products
(1 results)