2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771100
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
浜田 信城 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20247315)
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Keywords | Porphyromonas gingivalis / 線毛 |
Research Abstract |
歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisの菌体表層に存在する線毛は、口腔内定着に関与する因子と考えられている。申請者は、Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株の表層には41K線毛と67K線毛の2種類の抗原性が異なる線毛が存在することを明らかしてきた。 本年度は、それぞれ一種類の線毛を欠損させた変異株を作製し、その性状を親株と比較することにより、それぞれの線毛の機能を検討した。 線毛欠損株の作製は、クローン化した67K線毛遺伝子内へ薬剤耐性遺伝子を挿入し、67K遺伝子を不活化したDNA断片を作製し、このDNA断片をエレクトロポレーション法によりP.gingivalis 33277株へ導入し、相同組換を起した株を得ることに成功した。そこで、親株とそれぞれの線毛欠損株についてSDS-PAGEならびに抗41K線毛抗体と抗67K線毛抗体を用いて線毛蛋白質の発現の有無をWestern blotにより検討したところ、親株に存在する41Kの線毛構成タンパク質は、41K線毛欠損株では発現せず、67K線毛欠損株では67K線毛蛋白質が発現していないことが確認された。菌体の自己凝集性について検討した結果、67K線毛欠損株は親株に比較しておよそ1/2倍の吸光度になり、41K線毛欠損株では親株の33277に比較して自己凝集性が減少していた。次に、ヒト培養細胞への付着性について検討したところ、41K線毛欠損株では、細胞表面に孤立点在して菌体が付着していたが、親株と67K線毛欠損株では多数の菌体が凝集塊を形成し、細胞表面に付着していた。RI標識した菌体を用いて培養細胞への付着率を検討したところ、41K線毛欠損株では親株に比較しておよそ1/7に減少し、逆に67K線毛欠損株では親株に比較して1.4倍に増加していた。
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