2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシンVIの破骨細胞における機能:細胞内小胞輸送の方向性と波状縁形成のメカニズム
Project/Area Number |
12771108
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
坂井 詠子 長崎大学, 歯学部, 教務職員 (10176612)
|
Keywords | 破骨細胞 / 小胞輸送 / ミオシンVI / アデノウイルス / ラテックスビーズ |
Research Abstract |
マウス頭蓋骨由来ストローマ細胞とマウス骨髄細胞との共存培養系で活性型ビタミンD3とPGE2存在下、コラーゲンゲル上にて7日間培養を行った。コラゲナーゼ処理後、全細胞をプレート上に播きなおし、2時間接着後、プロナーゼ処理により破骨細胞様細胞を得た。培地中にラテックスビーズを添加し、破骨細胞に1時間貪食させた。PBSで洗浄後、培地に戻し0〜24時間チェースを行うた。細胞を回収し、N2キャビテーションで細胞を破壊後、ラテックスビーズ画分を密度勾配遠心法で高純度に回収した。得られたビーズ画分(ファゴソーム)を可溶化し、SDS-PAGE後ウェスタンブロッティングを行った。カルシウム依存性のリン脂質結合蛋白であるアネキシンIIは、チェース2時間後までのファゴソームに多く検出された。後期エンドソームのマーカー蛋白であるRab7はチェース2〜4時間後のファゴソームに多く存在していた。破骨細胞の骨吸収活性に重要な働きをしている酒石酸耐性酸性ホスファターゼ、カテプシンK、c-Srcなどはチェース4時間前後のファゴソームに多く認められた。リソソーム酵素であるカテプシンDはチェース18〜24時間後にのみ認められた。これらの結果より破骨細胞に取り込まれたビーズはファゴサイトーシスされ細胞膜表面からエンドソームへと移行し、最終的にリソソームへと小胞輸送されることが明かとなった。この小胞輸送はアクチンリングの形成を阻害するカルシトニンやアクチンの重合を阻害するサイトカラシンDにより阻害された。破骨細胞の小胞輸送がアクチン・ミオシンの系で調節されているかより詳細に調べるために、Genbankに登録されているマウスミオシンI、II、V、VIの遺伝子配列に基づき、プライマーデザインを行ないPCRプローブの作製を行っている。また共存培養で形成させた破骨細胞様細胞にアデノウイルスを感染させる系を立ち上げた。
|