2000 Fiscal Year Annual Research Report
耳下腺t-SNAREタンパク質の検索とラットMunc-18cとの相互作用について
Project/Area Number |
12771115
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
今井 あかね 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (60180080)
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Keywords | ラット / 耳下腺 / t-SNARE / シンタキシン / Munc18-3 / クローニング / RT-PCR |
Research Abstract |
ラット耳下腺腺房細胞の開口分泌に関与しているSNAREタンパク質として,シナプトブレビン(VAMP-2)およびシンタキシン4,SNAP-23等が確認されているが,これらのタンパク質間の相互作用やそれらを制御するタンパク質については明らかにされていない部分が多い.本研究では分泌顆粒と尖端膜との融合メカニズムを解明することを目的として,本年度はt-SNAREであるシンタキシン1〜8,12/13,17およびシンタキシンと結合することによりSNARE複合体の形成を制御していると考えられるMunc18-1,18-2,18cの耳下腺における発現をRT-PCR法により調べた.また、シンタキシン4と結合すると考えられるMunc-18c(18-3)のラットcDNAクローニングを行った. 1.シンタキシン1を除く試みた全てのシンタキシンのmRNA発現が耳下腺に認められた.これまでに耳下腺においるシンタキシン4および6の存在が明らかになっていたが,シンタキシン1は認められておらず,今回の結果はこれと一致した. 2.脳ではシンタキシン2Bおよび2Cが認められなかったことにより神経細胞とは違うメカニズムが存在する可能性が示唆された. 3.Munc18は全てのバンドが認められ,耳下腺ではMunc18-2が特に多く発現していた. 4.Munc18-3のクローニングを行い,1782bpのcoding領域を含む2389bpの塩基配列を決定した(GenBank Accession No.AB046544).Coding領域のマウスMunc18cとの塩基配列の相同性は94.5%で,アミノ酸の590番目にLeuの挿入を認めた. 今後はそれぞれの細胞内局在を検索すると共に,Munc18-3のタンパク質化学的性状の検索およびシンタキシンに対する結合実験を行い、膜融合メカニズムの解明に繋げていく予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 今井あかね,梨田智子,下村浩巳: "ラット耳下腺SNARE関連タンパク質のmRNA発現検索とMunc18-3のクローニング"歯科基礎医学会雑誌. Vol.42 No.5suppl. 487-487 (2000)
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[Publications] A.IMAI et al.: "mRNA expression of membrane-fusion-related proteins in rat parotid gland."Archieves Oral Biology. (in press). (2001)