2000 Fiscal Year Annual Research Report
高周波を用いた難治性感染根管に対する非外科的歯内療法
Project/Area Number |
12771141
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
庭野 和明 新潟大学, 歯学部, 助手 (80301183)
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Keywords | 高周波 / 感染根管 / 非外科的 / 歯内療法 / 根尖病巣 / in vitro |
Research Abstract |
難治性感染根管治療への高周波通電の有効性を検討するため以下の2つの実験を行いその結果を得た。 実験1寒天培地を用いた高周波通電の殺菌効果の検討:培地1mlあたり約10^6個の菌濃度となるようにE.coli菌液を混和して普通ブイヨン寒天培地を調製した。高周波治療器コスモエンドシステム(コスモトレード社製、東京)にファイルチップを装着し、培地表面から約2mmの深さまでチップを挿入し高周波を通電した。通電の条件として通電時間は0.3秒、0.5秒、1.0秒の3種類で各通電時間共、出力3、通電回数3回とした。好気条件下で37℃24時間培養したのち菌の発育阻止帯を3次元的に観察した。 実験2高周波通電の根尖病巣模型内細菌に対する殺菌性の検討:透明根管模型(ニッシン社製)を用いて根尖病巣の実験モデルを作製した。即ち、根管模型の根尖に根尖病巣の腔を作製し、根管を#90まで拡大した。直径0.9mmの矯正用ワイヤーを根管口より挿入して根尖孔から2mm突出させて固定し、根尖部に形成した腔内に生理食塩水で調製した寒天を流した。羊脱繊血に菌を混ぜ約10^7個/mlの濃度に調製したE.coli菌液1μlを、寒天の硬化後ワイヤーを引き抜いてできた穴の中にマイクロピペットを用いて根管方向より注入した。根尖孔からチップを2mm突き出し、実験1と同様な条件で高周波通電を行ったのち寒天と一塊として菌液を回収し、分散均一化後、普通ブイヨン寒天培地に接種し、37℃24時間好気条件下で培養後CFUを計測した。 結果実験1:チップの周囲約0.5mmの範囲で殺菌されていることが確認されたが、実験の各通電時間の間で殺菌範囲の大きさに差は認められなかった。実験2:通電を行った全ての試料で、生育細菌数はコントロールの1/10〜1/100に減少し、殺菌効果が認められたが、通電時間の長さでは生育細菌数に差は認められなかった。
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