2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771175
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金田 恒 新潟大学, 歯学部, 助手 (60322103)
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Keywords | 片側遊離端義歯 / 咀嚼能力 / 10mesh残留率 / 舌側貯留率 |
Research Abstract |
[目的]これまで短縮歯列の義歯装着に関しては,粉砕能力が向上しない,また義歯装着はオーバートリートメントだといった否定的な報告ばかりであった.しかし評価の方法にも偏りが見られる.そこで新たな評価を開発し,義歯の粉砕能力の必要性,義歯装着による食物移送能力向上のメカニズムを明らかにすることを目的とした.明らかになれば今まで明示できなかった短縮歯列に対する義歯装着のメリットデータとして提示できる. [研究実績]下顎の片側遊離端義歯を製作し,十分に使えるようになった後 1.実験用義歯(基本的には使用している義歯の複製)の製作 人工歯部分が着脱可能な構造とし,人工歯部分は(1)正常な咬合面形態と(2)対合歯との咬合接触を削除し,咬合接触のない舌側咬頭を残した形態の2種類と,さらに(3)人工歯がなく床部分のみ,(4)義歯を装着しないという4条件を設定した. 2.咀嚼試験 咀嚼試験を行い,義歯の形態と咀嚼機能の関連性を調べた.つまり,被験食品としてピーナッツ3gを用い,咀嚼の過程で粉砕された食物粒子を口腔前庭側と歯列の舌側(固有口腔側)とに分けて回収し,口腔内における粉砕食物の移送様相を追求するという新たに考案した咀嚼試験を行った.そして,粉砕の程度,食物の流れを一緒に評価できる新たな2つの指標-10mesh残留率,舌側貯留率を考案し義歯の形態と咀嚼機能の関連性を調べた. 3.咬合力の測定,咀嚼運動の記録 咀嚼と義歯装着の影響をを多角的にとらえるため,義歯装着,非装着時のそれぞれの咬合圧をデンタルプレスケールオクルーザー(富士フィルム社製)を用いて測定し,下顎の咀嚼運動軌跡をサホンビジトレーナーtypeII LCにて記録した.
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