2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771185
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山内 英嗣 徳島大学, 歯学部, 助手 (10304544)
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Keywords | 歯の運動 / 6自由度 / 咬合接触 |
Research Abstract |
歯周組織をはじめとする顎機能を異常なく営むためには,上下の相対する咬合面は互いに干渉することがなく,顎運動に調和した形態であることが望ましい.臨床上,患者に歯冠修復物を装着する場合,患者固有の側方滑走運動に基づき調整を行い装着するが,患歯の違和感等の訴えにより,再度,咬合調整を行うことがよくある.このことからも歯冠修復物の咬合面形態を設計する際には,歯の運動要素を考慮する必要がある.本研究の目的は,支台歯に種々な咬合接触様式のクラウンを装着して,その歯根を含めた患歯の経時的な運動を三次元的6自由度の高精度で解析し,望ましい顎機能を営むために必要不可欠な咬合接触状態を解明することである. 本年度は,下顎右側第一大臼歯に全部鋳造冠を装着している前年度選択した被験者を用いて,上顎右側第一大臼歯の経時的な歯の運動を測定した.具体的には,1.既存のセンサコイルを上顎右側第一大臼歯に装着するための被験歯用治具を作製した.2.被験歯用治具を上顎右側第一大臼歯に装着し,既存の高分解能6自由度運動測定器を用いて顎運動とともに咬合接触状態を変化させて歯の運動を測定した.3.測定は咬合接触を変化させる前と頬側咬頭内斜面の接触(B咬合小面の接触)を除去した咬合様式で,除去直後,除去3日後および除去7日後の合計4日間行った.被験運動は,軽く噛みしめた状態,咬頭嵌合位での噛みしめ,左側方滑走運動,右側方滑走運動,左側空口時咀嚼様運動,右側空口時咀嚼様運動およびタッピング運動の7種類であった. 歯の経時的な運動をグラフィックターミナル上で観察すると頬側咬頭内斜面の接触を除去した後では,側方滑走運動時,上顎右側第一大臼歯は前方へ変位する傾向が認められた.
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