• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2000 Fiscal Year Annual Research Report

矯正ブラケット用チタン合金の耐摩耗特性評価と電子顕微鏡を用いた摩耗機構の解明

Research Project

Project/Area Number 12771190
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

三浦 永理  長崎大学, 歯学部, 助手 (70315258)

Keywords摩擦摩耗 / チタン・チタン合金 / 耐摩耗性 / 摩擦係数 / 摩耗表面
Research Abstract

矯正ブラケット材を想定した純Tiの摩耗挙動を調査した.CPTiを0.5mm厚の板状に切断し,平行研磨機で粒径0.3μmのアルミナ粉まで研磨,鏡面にしたものを被摩耗材)とした.摩耗試験機はレスカ製FPR-2000Sで,ボールオンまたはピンオンディスク形式で行った.摩耗材はZrO_2とステンレス鋼(SUJ2)とした.摩擦摩耗試験は乾式,室温中で行った.試験条件は,回転半径1mm,回転速度95.5rpm(線速度1.0cm/s),試験時間は3.6ksで行った.
最初に,Tiの摩耗に対する摩耗材の影響を調査した.荷重は100gとした.その結果,SUJ2の定常摩耗時の平均動摩擦係数は0.75,ZrO_2のそれは0.7であり,金属同士の摩耗の方がセラミック-金属の摩擦より高い摩擦係数を示す.また,試験後の摩擦表面を光学顕微鏡で観察すると,SUJ2では茶色い摩耗粉が発生していた.ピン自体も摩耗していたため,この摩耗粉はピンの摩耗による酸化鉄と考えられる.また,Ti表面に茶色の酸化物の凝着が見られた.一方,ZrO_2の場合,Ti摩耗表面は黒くなり,はがれが見られた.また,ZrO_2側に僅かに黒い摩耗粉が付着していた.この場合,Tiの硬さがZrO_2に比べ小さいため,一方的にTiが削られ,Ti酸化物が摩耗粉として発生したと考えられる.
続いて,摩擦係数及び摩擦力への荷重の影響を調査した.この試験はTi-ZrO_2で行った.試験加重を100g,200g,300g,500gと変化させ,摩擦係数の変化を測定した.摩擦力は,荷重の増加に伴い増加するが,平均動摩擦係数は100g-300gまでは0.7で,ほぼ一定の値であったが,荷重500gになると,0.5と小さくなった.これは,摩擦の機構が荷重増加に伴い変化した事を示唆している.
以上の予備試験の結果,当初予定していたワイヤ用の摩耗装置改良を行わなくても,充分な実験結果が得られることが判った.その為,今後もピンオン,ボールオンディスク方式で摩擦摩耗試験を行い,今後はTi-Nb-Al合金,SUS316の摩擦摩耗試験を湿式で行い,TEMによる表面の微細組織観察を行う予定である.

URL: 

Published: 2002-04-02   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi