2000 Fiscal Year Annual Research Report
光照射器の特性が光重合レジンの重合性と光透過性に及ぼす影響
Project/Area Number |
12771204
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
内田 馨子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20298269)
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Keywords | 光重合 / コンポジットレジン / 光照射器 / 光強度 / フィラー / 硬化深さ / ヌ-プ硬さ |
Research Abstract |
光照射器の性能が光重合レジンの重合性に影響を及ぼすことは広く知られている。最近注目されている高出力型光照射器は大幅な照射時間の短縮によって光重合レジンが重合できると報告されている。現在多く使用されているハロゲンランプを光源にもつ従来型光照射器との比較を行い、光照射器が光重合レジンの重合性に及ぼす影響を調べた。 1.光強度の測定 高出力型の方が従来型に比べて約2倍の光強度を示していた。経時的変化は実験に用いた従来型照射器の光強度は安定していたが、高出力型照射器は照射直後に最高値を示し、その後は低下していた。また、高出力型光照射器は繰り返し照射を行うと光強度が低下する傾向があるため、臨床での繰り返し使用の際には注意すべきであることが示唆された。 2.光重合レジンの重合性 フィラータイプの異なる市販光重合レジンの硬化深さを1,3,5,10および20秒の照射時間について調べ、その重合性を調べるために深さ方向にヌープ硬さを測定した。光照射量の多い高出力型照射器はいずれの時間においても、硬化深さおよびヌープ硬さ共に従来型照射器を使用して重合した光重合レジンよりも大きな値を示し、短時間の光照射でも安定した重合性が得られることがわかった。。ハイブリッド型に比べ、超微粒子フィラー含有の光重合レジンは高出力型、従来型光照射器のいずれにおいても重合性が低かった。本実験では市販光重合レジンを使用しているため、他の成分の影響も考えられ、光重合レジンの重合性に及ぼすフィラータイプと光照射器の特性と影響についての明確な関係は得られなかった。このため、試作レジンを使用して光重合レジンのフィラータイプと光照射器の特性との関係について引き続き実験を行う。
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