2000 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の予後指標としてのc-Met、p53およびMDM2発現量の解析
Project/Area Number |
12771217
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
村井 睦彦 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00303553)
|
Keywords | Oral Cancer / p53 / MDM2 / c-Met / Carcinogenesis / immunostaining |
Research Abstract |
当科において生検もしくは手術を行った口腔扁平上皮癌のパラフィンブロックを4-5μmに薄切し、通法により脱パラフィン後、抗c-Metポリクローナル抗体(C-28)を用いて免疫組織染色を行なった結果、われわれの以前の研究と同様に正常口腔粘膜においては、基底膜のみが染色され、異形成細胞領域(前癌領域)では、基底膜だけでなく、上皮細胞も軽度から中等度に染色された。浸潤癌領域においては、高度に高頻度に染色された。 また、癌領域および隣接する異形細胞領域、正常口腔粘膜領域において抗p53モノクローナル抗体(DO7)、抗MDM2モノクローナル抗体(SMP14)を用いて免疫組織染色を行い、発色はABC法(ストレプトアビジン・ビオチン複合体:Universal kit,ICN Biomedicals)およびDAB(diaminobenzidine:DAB kit,ICN Biomedicals)を用いて行い、へマトキシリンで対比染色を行なった。その結果、陽性細胞の割合はp53においては正常組織で6%、異型細胞領域で24%、癌領域で53%であった。また、MDM2においては、正常組織で9%、異型細胞領域で29%、癌領域で44%の結果であった。このように癌化(正常組織→異型組織→癌)が進行するとp53およびMDM2の陽性率が増加するという結果が示された。今後は、症例数を増やすとともに発現程度と頸部リンパ節転移の頻度、腫瘍の大きさ、ステージとの関係、腫瘍の浸潤様式、予後との関係を統計学的に解析する予定である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Li,X.J.,Murai,M., et al.: "MDM2 overexpression with the Alteration of the p53 Protein and Gene Status in Oral Carcinogenesis"Japanese Journal of Cancer Research. 91. 492-498 (2000)