2000 Fiscal Year Annual Research Report
心拍RR間隔周波数解析の神経性ショック予防モニターとしての実用化
Project/Area Number |
12771244
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
卯田 昭夫 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (30277470)
|
Keywords | 心拍RR間隔 / 周波数解析 / 神経性ショック |
Research Abstract |
歯科外来にて発生する全身的偶発症で最も頻度の高い神経性ショックを事前に予測し、回避することができるモニターの実用化を目的とした本研究において、12年度はTarawa/winシステムを購入した。Mem Calcの周波数解析より得られたLF/HF、HF、平均RR間隔、および同時測定した血圧や呼吸のパラメーターとENTがいかなる関係にあるか検討した。 Mem Calcについて:心拍RR間隔変動について、LFとHFに分けて考えられる。HFは主として副交感神経活動の活性を、一方、LFは交感神経と副交感神経の活動を示すとされる。またパワー比(LF/HF)は自律神経のバランスの変動を示す指標であり、交感神経活動が抑制されるとLF/HFは低下すると考えられている。 ENTについて:直近数拍のRR間隔からなるパルス時系列のエントロピーを理論上の最もランダムなものを上限(100%)、等間隔なものを下限(0%)と規格化したENTとする。 その結果、LF/HFが安定しているにも関わらず、ENTが大きく変動する症例や、逆にLF/HFの変化に対しENTが変動しない症例もあり、一定の傾向がみられない現状である。しかし、ENTは0〜100の単位のない指標、周波数解析も対数表示(パワー)と一定表示(アンプリチュード)の場合ではトレンド観察において、変化の様相は大きく異ってくることと、個人差が大きいことが判明した。したがって、単位変化の意義が異なっている可能性がある。今後詳細な検討を加えることで、リアルタイムに表示されるLF/HF、HF、ENTの適切な評価がなされ、ショック回避モニターの実現が可能になるものと思われる。
|