2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771257
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
木下 智 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (00319584)
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Keywords | 歯性感染症 / 抗菌薬 / 局所投与 / 嫌気性菌 |
Research Abstract |
歯性感染症における、抗菌薬の使用法は経口や経静脈的に全身投与されるのが一般的である。このため病巣局所のみに高濃度の薬剤を作用させることは難しい。また、血流から組織への移行性が悪ければ薬剤濃度は低くなり効果は低下する。病巣局所に直接投与することができれば、薬剤を高濃度で作用させることができると考えられる。 本研究は歯性感染症に対する抗菌薬局所投与について検討する初期段階の研究であり、薬剤投与時に病巣局所で生じる作用を明らかにし、薬剤の効果および可否について調査することを目的としている。 まず、病巣局所環境下での病原細菌、とくに嫌気性菌に対する抗菌薬の効果をin vitroで調べる。歯性感染症患者から採取した膿を抗菌薬溶液と一定時間接触させる。その後、遠心分離して沈査を生理食塩水にて洗浄・集菌し、希釈してその一部を寒天培地に塗抹する。37℃、48時間の嫌気培養にて発育のみられたコロニー数を計測する。発育の見られたコロニーのうち主なものを新しい寒天培地に分離・再塗抹し、同定した後、当該抗菌薬に対する耐性の有無を調査する。対照として、抗菌薬溶液の代わりに生理食塩水を使用し、同一手順で発育させ、コロニー数の差異を比較する。 現在、数検体について上記研究を施行しているが、まだ、結果を集計するには至っていない。今後さらに検体数を増しその効果を判定する予定である。
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