2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771258
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
百田 義弘 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (60247880)
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Keywords | リドカイン / 痙攣 / 脳血流量 / マイクロソフェアー |
Research Abstract |
家兎を用い局所麻酔薬を持続的に静脈内に投与し、痙攣を誘発させた際の局所脳血流量の変化について観察した。我々はこれまでにレーザーフローメトリーを用いたりドカイン痙攣必発現時の大脳皮質部局所脳血流量変化について研究を行い、痙攣発現直前に脳血流量が減少し、痙攣中は脳血流量の増加を示すものの、その増加率は対照値と比較し有意な差がみられない事を明らかにした。今回、リドカイン痙攣発現中の局所脳血流量の変化を詳細に観察するため非放射性蛍光マイクロソフェアーを用いて研究を行った。前頭皮質、後頭皮質、小脳、海馬、橋および視床下部に脳標本を分け、リドカイン痙攣発現中の各部位の血流量を対照値(リドカイン投与前)と比較した。その結果、橋部における血流量の増加が最も大きく、海馬、視床下部、前頭皮質、後頭皮質、小脳の順に血流量の減少がみられた。しかし、対照値では海馬領域の脳血流が最も少なく、橋、視床下部、小脳、後頭皮質、前頭皮質の順に脳血流量の増加がみられた。痙攣発現前と発現時の脳血流量増加率を比較すると、橋(390%)、海馬(350%)、視床下部(380%)、小脳(230%)、後頭皮質(220%)、前頭皮質(190%)であった。このことからリドカイン痙攣発現時の局所脳血流量は、橋、海馬、視床下部領域で大きく増加するものと考えられた。また、前頭、後頭皮質部で200%前後の脳血流量の増加が観察されたが、これまでにルーザーフローメトリーにより示唆された痙攣発現直前に大脳皮質部における一過性の血流低下が大きく関与し、橋、海馬、視床下部領域に比べ痙攣による血流量変動が制御されているのではないかと推察された。今後は、非放射性蛍光マイクロソフェアーを痙攣直前に投与して、対照値、痙攣発現時と比較を行うことにより、海馬、橋、視床下部領域の痙攣誘発直前の詳細な血流変化を考察する必要があると考えられた。
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