2000 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節リウマチ患者に対するCAD/CAE/CAM人工顎関節の緩衝機構
Project/Area Number |
12771262
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
高山 義之 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (70299593)
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Keywords | 人工顎関節 / 骨頭置換術 / 変形性顎関節症 / 滑走関節 / CT画像構築 / 三次元ソリッドモデル / 有限要素法 / Shimoda Device |
Research Abstract |
本研究は,現存する顎関節全置換システムの種々の欠点を解消すべく,構造学的な骨頭の滑走運動獲得をチーフコンセプトに,独創的なデザインを持つ顎関節全置換システムを開発する基礎的,臨床的データの集積を重ねることであり,過去において第43,44回,日本口腔外科学会総会において報告している. 今回,今まで報告してきた顎関節全置換システムを個々の症例に応じてコンピュータ上で事前にシミュレーションし,サイズや設置部位を決定するシステムを開発したので,第45回日本口腔外科学会総会(平成12年10月12,13日,千葉)において報告した. 三次元ソリッドモデルの作成は,撮影したCTデータから三次元ソリッドモデルに変換した.人工顎関節は,同じくTemporal partsとMandibular partsからなるモデルを作成した.有限要素モデルの要素数は81,718,節点数は16,796とし,荷重は下顎枝下縁に後上方へ45゜の角度で50Nを設定した.解析は線形静解析にて行い,評価はvon Misesの相当応力にて行った.結果は,骨についてはネジ止め部周囲は応力集中を認め,下顎骨は開口方向に極僅かに回転していた.人工顎関節については,Fossa layerの後方部に応力集中が認められ,骨との間隙部のネジに応力集中を認めた.Disc layerでは前面で引張応力,後面で圧縮応力の集中を認めた.Condyle layerでは,内面のネジ穴周囲とネジ本体に応力の集中を認めた.本研究に応用した個々の材料の降伏応力と本解析における最大von Mises応力から,材料工学的に人工顎関節の設計は妥当であり,荷重負担とともに開口運動が誘発されることから,滑走運動が獲得されやすい構造と考えられた. 本発表は,第45回日本口腔外科学会総会において学会賞(ポスター賞)を受賞した.
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