2001 Fiscal Year Annual Research Report
ビーグル犬における閉経後骨粗鬆症モデルの顎骨の骨形態計測学的検討
Project/Area Number |
12771263
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
森田 雅之 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50308384)
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Keywords | 骨粗鬆症モデル / インプラント / 骨形態計測 |
Research Abstract |
この研究は、ヒトと同様の骨リモデリングが起こると考えられるビーグル犬で閉経後骨粗鬆症モデルを作製し、骨粗鬆症による皮質骨および海綿骨の変化と、インプラント植立後の骨組織反応を観察する事を目的とした。 方法:対象は成熟雌ビーグル犬4頭で、卵巣を摘出(以下、OVX)した閉経後骨粗鬆症モデル群2頭と、偽手術(以下、SHM)を行なったコントロール群2頭の下顎骨にインプラント(Branemark Machined surface implant φ3.3mm×10mm)を各3本埋入した。インプラント埋入8週と16週後に両群各1頭を屠殺、下顎骨を試料として摘出し樹脂包埋後、非脱灰研磨標本を作製した。走査型電子顕微鏡(以下、SEM)にて観察を行い、OVXによる下顎骨の変化を検討した。 結果:OVXによる下顎骨の変化を比較するため、まずインプラント非埋入側を観察した。SHM群2頭のSEM像は、皮質骨全体の厚みがほぼ一定で骨改造が行われている様子は認められなかった。海綿骨部分は、SHM8週後の骨で太い骨陵を比較的多く認め、SHM16週後の骨では歯槽頂側に太い骨陵を認めた。OVX群では2頭とも、歯槽頂側の外側の皮質骨が他の部分と比較すると薄くなっていた。海綿骨部分は、OVX8週後では太い骨陵と細い骨陵が観察され、OVX16週後では歯槽頂側に細い骨陵を認めた。 インプラント埋入側の観察では、皮質骨部分は両群ともインプラントと皮質骨が密に接していた。海綿骨部分は、SHM群では骨陵がインプラントと密に接して部分を認めたが、OVX群ではほとんど認めなかった。 インプラント非埋入側を骨形態計測学的に検討したところ、SHM群2頭の単位骨量が平均67.8%、OVX8週後は65.3%、OVX16週後では59.7%であり、OVXによって単位骨量が低下していると思われた。
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