2001 Fiscal Year Annual Research Report
動注によるカルボプラチンおよび血管新生阻害剤の腫瘍制御効果
Project/Area Number |
12771264
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
高木 伸二 産業医科大学, 医学部, 助手 (40269072)
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Keywords | 口腔癌 / 動注化学療法 / ウサギ / 腫瘍血管 / VX2 |
Research Abstract |
日的:腫瘍内微小血管数(BVC)とターゲティング動注化学療法の腫瘍組織内抗癌剤(CBDCA使用)濃度との関連を検討した。 方法:腫瘍群;1、26羽の日本白色家兎の舌にVX2癌細胞を移植した。2、移植後2週目に腫瘍部を生検し、同時にカテーテルを挿入して患側の舌動脈よりターゲティング動注療法を行い、カルボプラチン(6mg/kg)を投与した。3、薬剤投与後、直ちに腫瘍部を摘出し、腫瘍組織内の抗癌剤(白金)濃度を測定した。コントロール群;20羽の日本白色家兎の舌に腫瘍群に準じてターゲッティング動注を行い、組織の採取ならびに抗癌剤濃度を測定した。腫瘍群、コントロール群のパラフィン包埋組織標本より第VIII因子関連抗原染色を行い、Weidnerらの方法に準じ、BVCを測定した。 結果:1.腫瘍群およびコントロール群のBVC;腫瘍群のBVCは、中央値19、コントロール群のBVCは中央値8を示し、有意に腫瘍部で高いBVCを認めた(p<0,0001)。2.腫瘍部およびコントロール群のPt濃度;腫瘍群のPt濃度は、中央値275μg/G、コントロール群で中央値98μg/Gを示し、腫瘍群で有意に高いPt濃度を示した(p=0,0004)。3.腫瘍群におけるBVCと組織内Pt濃度;spearmanの相関係数ρ=0.875を示し、BVCの増加に伴い、組織内Pt濃度の上昇を認めた。4.コントロール群におけるBVCと組織内Pt濃度;有意な相関を認めなかった。(相関係数ρ=0.398) 考察:今回の検討において、BVCと組織内の抗癌剤の濃度に正の相関を認めたことは、腫瘍組織周囲の血流量とBVCが密接に関連しており、動注においてもBVCの増加に伴って、腫瘍組織内への抗癌剤の分布が増加するという仮定を裏付けるものと思われた。
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