2001 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素とアルミニウム錯体構成比による骨芽細胞内シグナル伝達系への影響
Project/Area Number |
12771268
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井川 恭子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40241640)
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Keywords | アルミニウム / フッ素 / 骨芽細胞様細胞 / MC3T3E-1 cell / 高速液体クロマトグラフィー / 電子伝達系 / 抗リン酸化チロシン抗体 / PCR |
Research Abstract |
(1)in vitro : 培養条件と両元素の錯体構成比の理論値から、AlとFの錯体の化学種との関係を検討し、主要錯体成分がAlFn^<3-n>(n=1〜6)となる6種の組み合わせおよびF単独(NaF溶液)、Al単独(AlCl_3)の計8組の添加条件を設定し、骨芽細胞様細胞の細胞増殖活性の増殖率を測定した。 各種条件下で培養を行った結果、培養上清中にAl単味、F単味を添加した場合より、Al+Fを同時に添加した場合の方が高い細胞増殖活性が認められた。単味においてはF濃度100-500μM、Al濃度50μMでピークが認められ、A1+Fの同時添加においては、比率により活性の差が認められること、Al濃度50μM+F濃度700μMでピークが認められた。しかし実験過程から算出した濃度の条件設定と実験結果から考察が困難であったことから、条件設定の再検討が必要となった。 (2)in vitvo : 人において、フッ素非摂取後および摂取後のフッ素とアルミニウムの尿中排泄量を測定し、フッ素によるアルミニウムの腎排泄への影響を検討した。インフォームドコンセントが得られた健康な成人6名において、本学倫理委員会で承認が得られたプロトコールにより1時間あたりの尿中のF排泄量は被験者全員F摂取後4時間以内に最大となった。F摂取後24時間の尿中Al排泄量は非F摂取後と比較すると、増加する傾向が認められた。尿中F排泄量と尿中Al排泄量に強い相関は認められなかったが、F摂取後に尿中Al排泄量が増加することから、Fは体内へのAlの吸収を促進、あるいは組織でのAl分布を変化させることによりAlの排泄を促進する可能性が示唆された。
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