2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771282
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
郡 由紀子 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70243722)
|
Keywords | 顎運動 / 顎間軸 / 小児 / 顎口腔機能 |
Research Abstract |
小児の顎運動は、側方滑走運動時の作業側顆頭移動量が成人に比べて有意に大きいことが明らかとなっているが、これは小児期における平行移動要素の大きさが関与しているものと考えられる。また顎運動の解析モデルに「顎間軸」があるが、それによれば、複雑な顎運動を顎間軸の位置と方向、軸に沿った平行移動量と軸周りの回転量という4つのパラメータで端的に表現することが可能である。これまでの研究で、側方滑走運動時、成人では顎間軸は作業側顆頭付近に収束し、軸に沿った平行移動量は非常に小さいが、小児では顎間軸が顆頭付近には収束せず、軸に沿った平行移動量が有意に大きいことを報告し、顎間軸モデルが機能的な発育評価の指標として有用であることを提唱した。 本年度は混合歯列期(IIIA期)小児10名、永久歯列期(IIIC期)小児5名、成人10名について、左右側方滑走運動時の顎間軸パラメータを求め、咬合状態が成人にかなり近いと考えられるIIIC期小児が、機能的にどの程度の発育を示しているのかを検討した。 その結果、IIIC期小児の側方滑走運動時、顎間軸の位置はIIIA期小児よりも顆頭の近くに収束するようになるが、成人のように顆頭を貫くようには存在せず、また軸周りの回転量・軸に沿った平行移動量ともに、IIIA期小児と成人のほぼ中間かやや成人よりに位置する値を示した。 以上の結果より、永久歯による側方ガイドが完成したと考えられるIIIA期小児においても、機能的にはまだ発育途上の段階であることが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)