2000 Fiscal Year Annual Research Report
歯根吸収を行う破骨細胞とその分化・成熟・機能を調節する因子の関与について
Project/Area Number |
12771287
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
川下 由美子 長崎大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10304958)
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Keywords | 歯根吸収 / 破骨細胞 / 破骨細胞分化因子(ODF) / 破骨細胞形成抑制因子(OCIF) |
Research Abstract |
本年度は、主に、歯根吸収モデルの動物から臓器を摘出してパラフィンブロックの作製とin-situ hybridization法に用いるプローブの作製を行った。歯根吸収のモデルとして、ラットとサルを用いた。ラットの臼歯部は顎骨の成長に伴い遠心移動し、これに伴って臼歯部の歯根吸収が観察されることが知られている。本研究では、生後3、4、5、6、12および16週の雄性ウイスター系ラットをそれぞれ3匹ずつ用いた。これらをネンブタールによる全身麻酔下にて、0.9%NaClで脱血し、4%パラフォルムアルデヒドで灌流固定を行い、上顎骨を取り出し、4℃にて4%パラフォルムアルデヒドに一晩浸漬固定した。その後、4℃にて10%EDTA(pH7.4)で10日間脱灰し、常法に従ってパラフィン包埋を作製した。サルについては、予備実験として、5歳と6歳のカニクイザルの下顎骨がホルマリン固定されたものを入手できたので、いくつかの条件で脱灰し、常法に従ってパラフィンブロックを作製した。この結果、乳歯から永久歯に生え変わることを観察できる3歳程度のサルが入手できたときに応用可能であることがわかった。パラフィンブロック作製後、5μmに薄切し、ヘマトキシリン・エオジン染色法とメチルグリーン・ピロニン染色法を施した。その結果、脱灰条件は、3カ月間という長い時間を要するが、10%EDTA(pH7.4)による脱灰が、酸によるものよりも形態的にも染色性においても良好であることがわかった。 プローブの作製については、破骨細胞分化因子(ODF)と破骨細胞形成抑制因子(OCIF)が組み込まれたベクターをシークエンスで確認し、in vitro transcription法でジゴキシゲニン標識RNAプローブを作製した。その後、フィルター上でその検出感度を確認した。
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