2000 Fiscal Year Annual Research Report
鼻閉が咀嚼機能ならびに呼吸機能に及ぼす影響-咬筋筋電図および呼吸曲線からの検討-
Project/Area Number |
12771293
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
坂口 也子 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (30305916)
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Keywords | 小児 / 口呼吸 / 咬筋筋電図 / 呼吸曲線 / 咬筋活動量 / 咀嚼周期 / 呼吸周期 / 呼吸量 |
Research Abstract |
小児歯科医療において小児期の正常な咀嚼および呼吸の確立と維持が望まれるため、鼻閉と食物咀嚼との関連について一連の研究を行ってきた。現在までに固有の咀嚼が確立された健康な成人において人為的な鼻腔閉鎖時における咀嚼機能および呼吸機能の影響を検討し、基礎的データーを得ている。今回の研究では鼻閉が成長・発育期の食物咀嚼および呼吸に影響を及ぼすと考えられるdental stage IIIA期の小児を対象に、鼻閉が咀嚼機能および呼吸機能に及ぼす影響について検討を行った。 研究方法:dental stage IIIA期の個性正常咬合を有し、本学附属病院内科受診にて鼻腔ならびに呼吸器系に異常がないことが確認された鼻呼吸を常態とする小児6名と慢性鼻疾患を有し、口呼吸を常態とする小児6名を対象に、安静時の呼吸曲線ならびにガム咀嚼時の咬筋筋電図と呼吸曲線を同時記録し、咬筋活動量、咀嚼周期、呼吸周期、呼吸量について計測ならびに解析を行った。 結果:鼻呼吸を常態とする小児と鼻疾患を有し、口呼吸を常態とする小児の咬筋活動量、咀嚼周期、呼吸周期、呼吸量について比較検討し、以下の結果を得た。 口呼吸を常態とする小児は鼻呼吸を常態とする小児に比べ、 1.安静時の呼吸周期、呼吸量は減少する傾向が認められた。 2.ガム咀嚼時において咬筋活動量の有意な減少(p<0.05)が認められた。その時の呼吸量は減少する傾向が認められた。 これらの結果より口呼吸を常態とする小児は鼻呼吸を常態とする小児に比べ、安静時および咀嚼時の咀嚼機能、呼吸機能が低下し、呼吸の様相にも変化が認められた。 次の段階として口呼吸者の形態的な面からも検討を行う予定である。
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