2000 Fiscal Year Annual Research Report
乳歯列期から永久犬歯萌出期までの犬歯間距離の増加量について
Project/Area Number |
12771317
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
渡辺 直彦 愛知学院大学, 歯学部・小児歯科学講座, 講師 (70281459)
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Keywords | 犬歯間距離 / 小児 / 歯列の発育 |
Research Abstract |
乳犬歯間距離は乳歯列後期から切歯の交換期にかけて増大し,永久切歯の配列に関与することが明らかとなっている.その後永久犬歯は歯列のやや唇側から萌出し,さらに前歯部の歯列弓幅を増し,特に上顎において顕著であるといわれている. そこで本研究は永久犬歯の顎骨内から萌出完了までの動態を把握することを目的とする. 本年度は乳歯列から永久歯列にかけての縦断的資料の収集および模型とエックス線写真の計測方法の検討を行った. 縦断的資料の収集は愛知学院大学歯学部小児歯科学講座所蔵の歯列模型のうち,Hellmanの咬合発育段階IIAもしくはIIC期から永久犬歯萌出完了までの各段階における模型が3組以上ある症例で,永久犬歯萌出完了前の時期には,印象採得の前後1ヶ月以内に撮影されたパノラマX線写真が存在するものを抽出した.さらに前歯部に歯の先天性欠如または著しい叢生,反対被蓋やオーバージェットがみられる症例,歯列または顎骨の側方拡大を行った既往のある症例を除外した結果,対象となりうるものは7症例であった. 模型およびエックス線写真の計測方法の検討した結果,模型上とエックス線写真上の乳犬歯近心面最大豊隆部間距離の比により,エックス線写真の倍率を算出する方法が有効と思われた.計測は乳犬歯および永久犬歯の近心面最大豊隆部間距離について行った.永久犬歯は顎骨内で経時的にその歯冠の方向が変化する傾向がみられたため,今後歯軸の変化量についても検討を加える必要性があると思われる.
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