2000 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン含有生体吸収性インプラントの骨新生に与える影響
Project/Area Number |
12771318
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
鬼木 泰久 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (90279315)
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Keywords | 固定源 / 脂質 / 生体吸収性 / インプラント / BMP |
Research Abstract |
生体材料の進化に伴い、インプラントを固定源とした矯正治療の有効性が報告されている。しかし、従来のチタン製インプラントは歯を移動させた後、除去しなければならないが、それに伴い歯槽骨や顎骨に骨の欠損が生じる。そこで平成10、11年度科学研究費奨励研究(A)でポリ乳酸(分子量:20,000〜100,000)とハイドロキシアパタイト(HAP)、フルオロアパタイト(FAP)を材料とした生体吸収性コンポジット型インプラント材の開発を行い、理工学的、病理組織学的に検討した。さらに、この生体吸収性インプラント材は、生体に為害作用がないことを病理組織学的に確認した。また、平成7、8年11年度科学研究費奨励研究(A)、一般研究(C)の交付を受け、サイトカインの一種であり中胚葉系細胞に対する強力な増殖因子であるbasic Fibroblast Growth Factor(b-FGF)は拡大されたラットの正中口蓋縫合部の修復を促進することや、骨折の治癒機転の促進、さらに再植歯の矯正的移動におけるb-FGFが有効であることを報告した。さらにBone Morphogenetic Protein(BMP)においても骨の新生能促進が報告されている。そこで本研究では両者の特性を生かすため、サイトカインを脂質でコーティングし、コンフォメーションを壊さないように生体吸収性インプラントに混合し、生体吸収性インプラントの吸収後のインプラント周囲の歯槽骨や顎骨に対する影響を免疫組織学的、病理組織学的に検討し、本年は次の結果を得た。 1.サイトカインであるBMPを脂質でコーティングを行い、直径4mm、厚さ1mmのディスクを作製し、ラット背部皮下に埋入し組織反応を検索した その結果、周囲組織に炎症性反応などの所見は認められなかった。
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