2000 Fiscal Year Annual Research Report
超分子複合体内エネルギー移動によるチミンダイマーの触媒的光修復反応
Project/Area Number |
12771355
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
青木 伸 広島大学, 医学部, 助教授 (00222472)
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Keywords | 紫外線 / cis-syn-シクロブタン / チミンダイマー / DNAフォトリアーゼ / 二核亜鉛錯体 / 光修復反応 |
Research Abstract |
細胞が紫外線照射を受けると、DNA中で隣接するチミジン(d(TpT))の間で光[2+2]環化付加反応が進行し、cis-syn-シクロブタン型チミンダイマー(T[c,s]T)などを生成する。このような変異はDNAの複製エラーをおこし、突然変異や細胞死を誘発する。 太陽光(300-500nm)を用いてT[c,s]Tのシクロブタン環を開裂させ、本来のd(TpT)に修復する酵素がDNAフォトリアーゼ(DPL)であり、その活性中心には光エネルギーの化学エネルギーへの変換に重要なフラビン補酵素(FAD)が存在する。一方、大環状ポリアミンの亜鉛(II)錯体は中性pH水溶液中でdT、T[c,s]T、FADのイミド構造を認識して安定な複合体を生成する。 本年度は、「二核亜鉛錯体(Zn_2L)、T[c,s]T、FAD(またはFADH_2)の3分子が自己集積して生成する超分子複合体内でのエネルギー移動による、T[c,s]Tの触媒的光開裂反応を試みた。しかし実際には、Zn_2LとFADH_2の存在下でのT[c,s]T開裂の反応加速は、Zn_2Lのみによる反応加速とほぼ同程度であった。三者の超分子複合体の生成率が低いことと、この超分子の寿命が、光励起状態に比べて短いことが原因と考えられる。 一方、本年度は、Zn_2Lがチミジンのリン酸化体(チミジンヌクレオチド)に対する高選択的レセプターであることを見い出した。また、三核亜鉛錯体(Zn_3L)と6員環トリイミド化合物であるシアヌル酸の水溶液中での自己集積による超分子をつくり、報告した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shin Aoki,Motoo Shiro,Tohru Koike,Eiichi Kimura: "Three-Dimensional Supermolecule Assembled from a Tris (Zn-cyclen) Complex and Di-and trianionic Cyanaric Acid in Aqueous Solution"Journal of the American Chemical Society. 122・3. 576-584 (2000)
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[Publications] Shin Aoki,Eiichi Kimura: "Highly Selective Recognition of Thymidine Mono-and Diphosphate in Aqueous Solution by Ditopic Receptors Zin (II)-Bis (cyclen) Complexes"Journal of the American Chemical Society. 122・19. 4542-4548 (2000)
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[Publications] Shin Aoki,Hiroki Kawatani 他3名: "A Double-Functionalized Cyclen with Carbamoyl and Dansyl Groups (Cyclen : 1.4.7,10-Tetraazacyclododecane)"Journal of the American Chemical Society. 123・6. 1123-1132 (2001)