2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体内リン酸エステルの構造修飾を基盤とする情報伝達阻害薬の創製
Project/Area Number |
12771363
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
村野 哲雄 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (90307687)
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Keywords | イノシトールモノホスファターゼ / 阻害薬 / ジフルオロメチレン / 安定類縁体 / 不斉Diels-Alder反応 / プロテインチロシンホスファターゼ / ホスホノチオ酸 / Thiono-thiolo転位反応 |
Research Abstract |
1,神経細胞伝達に関与するイノシトールモノホスファターゼ(IMPase)の阻害薬合成を目的として,IMPaseの基質となるイノシトールモノホスフェートの加水分解に安定な類縁体をデザイン・合成した.モノホスフェートのリン酸エステル酸素をジフルオロメチレンに置換したシクロヘキサン誘導体の合成法として,ルイス酸存在下のDiethyl(2E)-4-[(4R)-4-benzyl-2-oxo-1,3-oxazolidin-3-yl]-1,1-difluoro-4-oxobut-2-enylphosphonateとシクロペンタジエンとの不斉Diels-Alder反応を検討した.ルイス酸のうち,特にランタニドトリフラートが高いエキソ/エンド選択性を示し,エキソ体が収率良く得られた. 2,Difluoro(2-naphthyl)methyl phosphonic acid(1)はプロテインチロシンホスファターゼ(PTP 1B)阻害活性を示すことが知られているが,さらに活性の向上を目指して,1のホスホン酸部分をホスホノチオ酸に置き換えた類縁体(2)の合成およびPTP 1B阻害活性評価を行った.CuBr存在下2-IodonaphthalenとBromo[(diethoxyphosphoryl)(difluoro)methyl]zincとのカップリング反応により1のエチルエステルを得た.ついでLawesson試薬でホスホリル基をチオホスホリル基へと変換し,NaI,3-Iodopropen存在下,エステルのThiono-thiolo転位反応を経由して2のカリウム塩を合成した.また1のシアノエチルエステルから2を別途に合成した.2のカリウム塩はPTP 1B阻害活性を保持していたが活性の大きな向上は見られなかった.
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Research Products
(1 results)