2000 Fiscal Year Annual Research Report
ハリコラクトンおよびネオハリコラクトンの立体選択的合成研究
Project/Area Number |
12771367
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
金井 一夫 星薬科大学, 薬学部, 助手 (60267333)
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Keywords | ハリコラクトン / ネオハリコラクトン / コンマタノラクトンA / 閉環メタセシス / 薗頭反応 / シクロプロパン |
Research Abstract |
Halicholactoneおよびneohalicholactoneの合成に先立ち、モデル実験として類似の構造を有するConstanolactoneAの合成を検討した。本天然物の合成が達成出来れば、halicholactone等の合成もほぼ同様の合成経路により達成できると考えられる。 先ず、constanolactone A合成の鍵工程となる閉環メタセシス(RCM)を検討した。モデル化合物として側鎖部を有しないエポキシシクロプロパンを用いて検討を行った。エポキシドに対し、触媒量のCul存在下ビニルマグネシウムブロミドを作用させると、オキシラン部が開環しホモアリルアルコールが生成した。生じた水酸基をアクリル酸エステルとし、Grubbs錯体を用いてRCMを行ったところ好収率で望む不飽和ラクトンが生成した。次いで、本化合物を接触水素化反応に付し、飽和ラクトンへと誘導した。このように得られた化合物はconstanolactone A合成において最も困難と思われる連続するラクトン部-シクロプロパン環部を有しており、本法がconstanolactone A合成において極めて有効であることが示唆された。 そこで、上記モデル実験を踏まえてconstanolactone Aの合成を行った。アスコルビン酸から得られるグリセルアルデヒドより数工程を経て(2S,3S,4S)-2,3-cyclopropyl-4,5-isopropylidenedioxypentan-1-olへ導いた。本化合物の水酸基をアルデヒドへと酸化した後、Corey-Fuchs法により1炭素増炭されたアルキンとし、次いで(1E)-1-Iodo-4-triethylsilyloxy-1-buteneとの薗頭反応に付しene-yne基質とした。オレフィン部をAD-mix-αを用いジアステレオ選択的にジヒドロキシル化し、さらに数工程を経て側鎖を伸長した。現在、constanolactone Aの合成を達成すべく側鎖水酸基のパラジウム触媒による[3,3]-シグマトロピー転位とRCMによるラクトン部の構築を検討中である。
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Research Products
(1 results)