2001 Fiscal Year Annual Research Report
ルシゲニン化学発光によるビスフェノールAの高感度酵素免疫測定法
Project/Area Number |
12771385
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小門 周 昭和大学, 薬学部, 助手 (20266159)
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Keywords | ビスフェノールA / ルシゲニン / 酵素免疫測定法 / 内分泌かく乱化学物質 / 化学発光法 |
Research Abstract |
平成13年度は主としてビスフェノールA(BPA)の測定法について検討し、実際に生体試料中あるいは実験器具から溶出するのBPA濃度の定量を行った。 1.ハプテンと標識抗原の組み合わせの最適化 側鎖の異なる3種のカルボン酸誘導体を調製し、キャリヤータンパクとしてBSAを用い免疫源を調製し抗血清を得た。同様にALP標識BPAを3種調製し、これらを用い全ての組み合わせにおける測定の感度および特異性を詳細に検討し、化学発光検出酵素免疫測定法を構築した。BPAは0.06-100ng/mLの範囲で定量でき、精度は平均5.4%と良好であった。検出限界は0.06ng/mLであり4-ニトロフェニルリン酸を用いる比色法でALP活性を検出する方法に比べて約5倍高感度であった。 2.生体試料中のビスフェノールA濃度の測定 本法を用いて、ヒト血清中のBPA濃度を測定する目的で希釈直線性試験及び添加回収試験を行った。5種の検体において10倍以上の希釈率で良好な希釈直線性が得られ、1アッセイあたりの血清必要最低量は5μLであった。さらに、ヒト血清試料にそれぞれ、既知濃度のBPAを添加し、添加回収試験を行ったところ、平均添加回収率は100.9±11.4(mean±SD)%と良好であり、ヒト血清中のBPA濃度を測定できることが確認できたので、健常人を含む種々の血清中BPA濃度を測定した。 3.環境中のビスフェノールA濃度の測定 BPAを主原料としないポリカーボネートやエポキシ樹脂以外の材質であるプラスチック製の実験器具を使用する場合でも、BPAが溶出し測定系を汚染してしまうことが懸念される。そこでポリプロピレンやポリスチレンを材質とする実験器具から溶出するBPAを測定した。食品衛生試験法のポリカーボネートを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装の溶出試験に準じて溶出試験を行った。浸出液を水として試験した結果、2つの試料で極微量のBPAが溶出した。これらの器具を用いBPAの定量をする場合BPAの溶出が起こる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Amane Kokado, Hidetoshi Arakawa, Masako Maeda: "Chemiluminescent assay of alkaline phosphatase using dihydroxyacetone phosphate as substrate detected with lucigenin"Luminescence. 17. 5-10 (2002)