2000 Fiscal Year Annual Research Report
薬物トランスポーターを介した取り込み過程で生じる薬物間相互作用の定量的予測
Project/Area Number |
12771438
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
設楽 悦久 北里大学, 薬学部, 助手 (00306656)
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Keywords | トランスポーター / 薬物間相互作用 |
Research Abstract |
肝臓に発現している個々のトランスポーターの寄与を見積もる手法として、rat Oatp1,Oatp2に対して働く阻害剤のそれぞれに対する選択性に関する研究を行った。この結果、quinidine,rifampicin,NSAIDsがOatp1を選択的に疎外する一方で、digoxin,quinineがOatp2を選択的に阻害することがわかった。これらの一部は適当な濃度で用いることで一方のトランスポーターのみを選択的に阻害することができる。この研究は臨床で用いられている薬物のトランスポーターを介した薬物間相互作用の機序を分子レベルで解明するのに役立つと考えている。 また、実際に臨床で相互作用が生じることが報告されているcerivastatin(CER)とcyclosporin A(CsA)の組み合わせに着目し、CERの肝細胞への取込みに対するCsAの阻害効果についてラットを用いて検討した。この結果、CERのラット遊離肝細胞への取込みをCsAが濃度依存的に阻害することがわかった。今後、胆管側膜からのくみ出しに対する影響およびin vivoでのラットにおける相互作用についても検討し、総合的に評価することで臨床で報告されているヒトでの相互作用のメカニズムの解明につなげたい。
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