2000 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ機能欠損マウスを用いた.放射線による催奇形成の研究
Project/Area Number |
12771441
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
築地 信 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (90302611)
|
Keywords | 胎児の発生 / アポトーシス / マクロファージ / Cタイプレクチン / mMGL / X線照射 / 催奇形成 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
胎児の正常発生過程におけるアポトーシスを起こした細胞の認識・排除機構にマクロファージがどの様に関与するかを検討することを考え、放射線による胎児の催奇形性に着目し、本研究を計画した。マクロファージが用いる認識分子の一つとしてガラクトースとN-アセチルガラクトサミンを末端に持つ糖鎖に結合するCタイプレクチン分子(mMGL)に注目した。マウスの初期発生において、指の形成の際に起こる指間の細胞のアポトーシスとともに、その周囲にmMGLを発現している細胞が集積していることが、免疫組織学的検討により、観察された。さらに、リコンビナントmMGLを標識し組織染色をおこったところ、アポトーシス小体に結合することが明らかになった。本研究の目的は、mMGLを欠損したマウスを用いて、胎児発生初期の放射線の催奇形性に対するマクロファージの関与を検討することである。 放射線による胎児への影響を、妊娠10.5dpcのマウスにX線(1or2Gy)を全身照射し、6〜48時間後に胎児を摘出し凍結切片を作製し、組織染色により検討する系を確立した。TUNEL法によりアポトーシスを、モノクローナル抗体によってmMGLを検出できている。現在までに、放射線感受性の高い神経管内に1Gy照射後12時間後(11.0dpc)からmMGL陽性マクロファージが観察され、36時間後(12.0dpc)にはピークとなり、非照射マウスの2〜4倍になることが明らかになった。一方、マウスゲノムライブラリーより、マウスmMGLのすべてのエキソンをコードするクローンを得、ターゲッティングベクターを設計した。ターゲッティングベクターをトランスフェクションし、相同性組換え体ES細胞をセレクションし、ブラストシストに注入することで、キメラマウスを得た。現在、メーティングを行いF1マウスを作成中である。
|
Research Products
(1 results)