2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771449
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
生田 統悟 埼玉県立がんセンター, 研究所, 研究員 (00262072)
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Keywords | Ahレセプター / ARNT / CYP1A1 / XRE / ケラチ / サイト / LxxLLモチーフ |
Research Abstract |
1.AhR活性化に関わる細胞内シグナル伝達経路について AhRはARNTと複合体を形成し、DNA上のXRE配列に結合して下流の遺伝子発現を調節する。AhRを活性化する細胞内シグナルを解析するため、XREtk-Luciferase(Luc)発現ベクターをヒト表皮角化細胞株HaCaTに導入し、neo耐性クローンを分離した。得られたクローンは、AhRの外来リガンドに応答してLuc活性を上昇させた。次にLuc活性を調節し得る生理刺激を解析した結果、血清添加により量依存的な活性化が観察された。この活性はCキナーゼ、MAPキナーゼ、SRCキナーゼの各阻害剤に感受性を示した。このクローンを用いることにより、AhR活性を調節するシグナルの解明につながることが期待される。 2.AhRと会合する蛋白質の検索 LxxLLモチーフ(NR box)は、蛋白-蛋白相互作用に重要な配列として知られている。AhRが有する2つのNR box(NR1、NR2)の変異体をCOS細胞で一過性に発現させ、その意義を検討した。NR1の3つのLeuをAlaに置換した変異体は、約40%の細胞でリガンド非依存性に核に局在した。AhR/ARNTの標的遺伝子であるCYP1A1の転写活性をLucを用いて検討した結果、NR1変異体によるLuc活性は野生型より低かった。NR2変異体の局在および転写調節能は野生型と差がなかった。以上より、AhRのNR1領域は何らかの因子との相互作用により、AhRの局在性および転写調節活性の制御に関わっていることが示唆された。
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