2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771461
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小菅 和仁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00283375)
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Keywords | 薬物代謝酵素 / CYP3A4 / グレープフルーツジュース / CYP2C19 |
Research Abstract |
薬物代謝酵素の中でCYP3Aは多くの薬物の代謝に関与し、またその活性を阻害する薬物も存在することから薬物間相互作用の原因の一つとして興味が集まっている。CYP3Aは腸管上皮細胞と肝細胞に発現しており、その代謝能の違いが薬物代謝の個人差に重要と考えられている。 CYP3A4により代謝を受けるトリアゾラムを指標薬物として、腸管上皮細胞中に存在しているCYP3A4を選択的に阻害することが知られているグレープフルーツジュース(GFJ)の飲量と阻害効果を検討した。健常被験者8名を対象とし、水あるいはGFJ 10,50,400mlのいずれかをトリアゾラム(0.5mg)と併用する4プロトコールを同一被験者に対してそれぞれ行った。 50ml GFJ飲用群では、対照群に比べCmax(1.9+/-0.5->2.4+/-0.9ng/ml:mean+/-SD)およびAUC(11.7+/-6.3->14.1+/-6.8ng h/ml)に上昇傾向が認められ、400ml飲用群では他の投与群全てに対してCmaxおよびAUCが有意差(p<0.01)のある上昇を示した。 CYP3A4を介する代謝を受ける薬物の場合、グレープフルーツジュースの飲料がコップ1杯程度であっても、大きな影響を受けることが報告されている。この影響は吸収時にほぼ限られていることから濃度依存的な薬効増強および有害作用の発現が危惧されている。我々の検討より、50mlの飲用においてもトリアゾラムの血中濃度の上昇が認められた被験者が存在したことから、少量であっても影響が生じることが明らかとなった。したがって、CYP3A4により代謝を受ける薬物を投与する場合、GFJあるいはグレープフルーツ自体の摂食にも十分注意をする必要があると考えられた。
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Research Products
(1 results)