2000 Fiscal Year Annual Research Report
精神科病棟において看護婦(士)が隔離の必要性があると判断する状況についての分析
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12771531
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 るみ子 福島県立医科大学, 看護学部・精神看護学領域, 助手 (80315671)
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Keywords | 隔離室 / 保護室 / 看護判断 / 患者隔離 |
Research Abstract |
今年度は、精神科における患者の隔離に関する文献検討を行い、データ収集に向けての準備としてインタビューガイドを作成し、調査対象者の検討を行った。 文献検討では、過去10年にさかのぼり1990年から現在までの文献を、「隔離室」「保護室」「精神科看護」をキーワードに検索を行った。精神科の隔離室・保護室(以下保護室)における看護について研究されたものは、90年代後半になるに連れ徐々に増えてはきているものの、精神看護全体の研究の中で占める割合は非常に少ない。研究報告されているものの主な内容としては保護室を使用している患者への看護や経過について書かれた事例報告がほとんどであるが、その他に保護室で行われている看護技術について検討されたものや、看護婦による倫理的配慮について研究されたものがあった。また、保護室における看護判断については、看護者の判断の特徴を経験年数に焦点を当てて研究しているものが見られた。なお、医師による研究報告では長期に保護室を使用している患者の経過などについて述べた事例報告が多く、その他には保護室を使用している患者の疾患・病態をまとめたものが多かった。 上記の結果をふまえ、インタビューガイドを現在作成中である。インタビュー項目としては、最近経験した患者の隔離を開始した状況について詳しく語ってもらい、その時看護者は何を観察をし、どのような関わりを持ったのか、どの時点で隔離が必要と判断をし医師に報告をしたのか、などをいずれも具体的に語ってもらうことを考案中である。 なお、研究フィールドとしては現在福島県内の数ヶ所の精神病院または精神科病床を有する病院を検討・調整中であり、決定次第インタビューを開始する予定である。
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