2001 Fiscal Year Annual Research Report
女性高齢者における身体活動量と骨代謝マーカーとの関係
Project/Area Number |
12780014
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北川 淳 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (80260529)
|
Keywords | 女性高齢者 / 身体活動量 / 日常歩行数 / 骨吸収マーカー / ピリジノリン / デオキシピリジノリン / 踵骨超音波指標 / Stiffness |
Research Abstract |
143名の健康な日本人女性高齢者(71.5±5.5歳64歳〜87歳)を対象として,歩行数で評価した身体活動量が踵骨超音波指標や骨吸収マーカーに与える影響について検討した。Lunar社製A-1000を用いて,右踵骨のSOS, BUA, Stiffnessを測定した。歩行数は七日間連続記録し,歩数/日を算出した。マーカーは92名のピリジノリンとデオキシピリジノリンを測定した。尿サンプルには午前10時前後の随時尿を用いた。 重回帰モデルによって交絡因子(閉経後年数およびBMI)を調整した超音波指標を算出した。これらの調整値と歩行数との関係に2次回帰曲線を当てはめたところ, SOS, BUA, Stiffness調整値は10,000〜12,000歩/日をピークとする有意な曲線を示した。したがって,このレベルの歩行数までは踵骨超音波指標を高いレベルに維持する効果があるが,これ以上歩行数が多くなってもプラスの効果は認められない可能性が示された。また,マーカーは全員では測定できなかったが, 12,000歩/日程度までの歩行数はマーカーを抑制するが,それ以上の歩行数では,さらなる抑制効果は認められない傾向であった。これらの結果から,骨の脆弱性を抑制するための身体活動量の上限として, 12,000歩/日程度の歩行数が提案できると思われた。 また,昨年度測定した20名の追跡調査を行った結果, 2年間とも8,000歩/日程度の歩行数が維持されており,骨量及びマーカーに有意な変化は認められておらず,身体活動性の維持が骨の維持に貢献していると考えられた。
|