2000 Fiscal Year Annual Research Report
頚背部浅層筋の筋収縮を両側及び一側に行った場合の眼球運動反応時間と視覚誘発電位
Project/Area Number |
12780032
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
国田 賢治 大阪市立大学, 保健体育科研究室, 講師 (20316003)
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Keywords | 衝動性眼球運動 / 反応時間 / 視覚誘発電位 / 筋収縮力 / 頚背部筋 / 覚醒 |
Research Abstract |
これまで、眼球運動反応時間が上肢帯挙上筋の筋収縮により短縮すること、及びその短縮に最適な筋収縮力が認められるとの知見を得てきた。またさらに、それ以上の収縮力では、反応時間の短縮に抑制がみられるとの知見を得た。衝動性眼球運動の神経経路の一部である視覚情報処理系の到達・処理時間においても同様の様相を示すことが予想された。上肢帯挙上筋の種々の収縮力における視覚誘発電位及び眼球運動反応時間を検討した。被験者は成人10名からなり、座位を保持させた。上肢帯挙上筋の等尺性収縮を両側同時に行った条件にて視覚誘発電位及び眼球運動反応時間を別々に測定した。力発揮の大きさは、最大収縮力の0%〜50%を10%刻みに設定した。視覚誘発電位は、ゴーグル型フラッシュ刺激を用いて測定した。その刺激は閉眼にて右眼へ1秒間隔で行い、誘発電位はMO部位で記録した。1回の試行時間を25秒間とし、4試行ずつ行った。眼球運動反応時間の測定は、二点交互に水平に点灯する視標を注視させて行った。視標の点灯は、2〜4秒のランダムな時間間隔とした。1回の試行時間を20秒間とし、3試行ずつ行った。分析項目は、視覚誘発電位の100回の加算平均波形におけるP100潜時、及び眼球運動反応時間である。P100潜時は、平均値でみると30%の収縮力まで短くなり、それ以上の収縮力では延長する傾向であった。眼球運動反応時間も同様の様相を示した。しかしながら、全ての力発揮条件を対象に、0%(安静)時に対する潜時及び反応時間の差の相関をみたところ、その値が低かった。以上のことから、後頭葉までの視覚情報処理系の到達・処理時間は、ある程度の上肢帯挙上力の収縮力まで短縮し、それ以上の収縮力では、短縮に抑制がみられることが明らかとなった。その短縮は眼球運動反応時間の短縮に寄与しているものの、その寄与の程度には個人差があることが推察された。
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Research Products
(1 results)