2000 Fiscal Year Annual Research Report
ラット坐骨神経切断による骨格筋廃用性萎縮におけるアポトーシスの関与〜骨格筋細胞およびサテライト細胞について
Project/Area Number |
12780040
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安納 弘道 日本大学, 工学部, 講師 (80258392)
|
Keywords | 骨格筋 / アポトーシス / サテライト細胞 / 廃用性萎縮 / ubiquitin / Fas / TUNEL |
Research Abstract |
<目的>ラット坐骨神経切断による下肢骨格筋の廃用性萎縮時において骨格筋細胞の幹細胞的役割を果たすsatellite cell(SC)がアポトーシスに陥るか否かを組織化学的に検討することを目的とした。<方法>Wistar系雄性ラットを用い左坐骨神経を外科的に切断、その後3日〜3週間の通常飼育をおこなった。通常飼育終了後、動物を深麻酔下に置き胸部大動脈より生理食塩水を灌流の後、4%paraformaldehyde溶液にて灌流固定を行い、長趾伸筋、ヒラメ筋及び腓腹筋を摘出した。これらの試料を急速凍結し、凍結切片を作製の後、アポトーシス関連タンパクであるUbiquitin、及びFasの発現を免疫組織化学的手法にて検出した。またアポトーシスの特徴であるDNAの断片化の検出にはTUNEL法を用い行った。SC及び筋核の識別には抗-Laminin抗体を用い識別した。<結果>神経切断1〜3週間後多くのTUNEL陽性核が認められ、それらの核はSC細胞の核であった。またそれらの多くの細胞は、ubiquitin及びFasの発現も示したが、全てではなかった。更に抗-parvalbumin抗体を用い分類した筋線維タイプとの関係について検討したところ速筋タイプに付随するSC細胞にTUNEL陽性核並びにubiquitin及びFasの発現が多く認められた。以上のことから筋衛星細胞のアポトーシスが骨格筋の廃用性萎縮に関与する可能性が考えら、それらの細胞は同一のアポトーシス進行過程を示さない可能性が示唆された。 現在、他のアポトーシス関連タンパクの検出及び電子顕微鏡による観察を施行中である。
|