2000 Fiscal Year Annual Research Report
建築仕上げ材の質感評価指標としての3次元反射指向特性の有効性に関する研究
Project/Area Number |
12780083
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
後藤 薫子 (北村 薫子) 武庫川女子大学, 生活環境学部・生活環境学科, 講師 (80319855)
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Keywords | 質感 / 評価 / 材料 / 反射 / 指向特性 / 仕上げ材 / 建築 / 光 |
Research Abstract |
住環境学と建築材料学の複合的な領域として,材料の物性から空間の快適性を予測する手法を確立することを最終目的とする。本研究は,既に予備的に行った基礎的条件における検討から得られた示唆をふまえ,建築仕上げ材の質感の評価指標としての3次元反射指向特性の有効性を検証するものである。 既に行った予備的検討をもとに,本年度は,視覚による評価の手がかりである材料表面の明暗面積比の変化の割合が一定となるよう条件を設定するとともに,指向性の強い入射光における評価を求めた。照射部分の明るさや光の色温度によっても質感が異なる可能性があることから,15lx〜2000lxの範囲で照度および色温度を変化させ,照射角度を0°(法線方向)〜85°の範囲とした。その結果,あたたかさ・やわらかさの評価には色温度や材料表面の色の影響があるほか,照度の上昇とともに光沢・粗さの印象が高くなり,やわらかさは100lx程度以上では照度に関係なく評価がほぼ一定であることがわかった。また,照射角度が大きい場合に質感の印象の変化が大きく,45°程度以上で顕著であることが明らかとなった。 これらの質感評価との対応関係を検討するため,評価実験と同一の条件を再現し,1.8×1.8×1.8mの暗室内で,輝度の測定を行っている(平成12〜13年度)。まず,視覚の解像度と対応する測定面積を求めるため,光源に付したマスクおよび輝度計位置によって測定面積直径を4mm〜35mmの範囲で変化させるほか,断面形状が半円(直径2mm〜30mm)である単純なテクスチャーの試料を石膏により作成し,適した測定面積の検討を行っている。ここでは光の入射方位・角度を一定とし,測定角を変化させることで基本的な傾向を捉え,質感評価との対応を検討した後,対象とする試料,入射・測定角を増やして,引き続き質感評価指標としての3次元反射指向特性の有効性を検証する。
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Research Products
(2 results)